三陸鉄道の命運を握るのは「JR東日本」との連携だ! 『あまちゃん』頼みを超えて、さらなる高みへ到達できるか
人に優しい対応

三陸鉄道は全列車ワンマン運転で、前乗り前降り方式が原則。2両運転の場合、2両目の乗降用ドアは締め切りである。
多くの駅でホームの有効長は2~3両分を確保しているが、ほとんどはホームの端ではなく、中ほどを停車位置とし、2両目の一部がホームにはみ出る。
わざわざそうしているのは、駅舎や階段付近に停車することで、利用しやすい態勢を整えているからだ。高齢者や車いすの方にとって、駅舎から乗車口までの距離を極力短くし、負担を軽減させることで、乗り遅れなどを防いでいる。
三陸鉄道は徹底的な合理化を図ることで、長年存続に向けて懸命に取り組んでいることがうかがえる。
必要不可欠なJR東日本との連携

風光明媚(めいび)な車窓、乗降しやすい環境など、人々に愛されている三陸鉄道。気になるのは、山田線を引き継いだ宮古~釜石間は、沿線が津波に襲われた影響で、巨大な防潮堤と集落跡地と化した雑草が目立ち、痛々しい光景が広がることだ。今後も沿線人口の増加は見込めないだろう。
三陸鉄道の乗客をひとりでも多く増やすには、観光客、旅行客にかかっている。どれだけ誘致できるかが長年存続に向けての最大の課題といえるだろう。そのカギを握るのはJR東日本だ。
久慈で接続する八戸線八戸~久慈間は8往復、釜石で接続する釜石線花巻~釜石間は10往復、盛で接続する大船渡線BRT気仙沼~盛間は下り14本、上り11本(うちは1本は土休運休)運転され、一部を除き、三陸鉄道の列車に接続しており、利便性はそこそこよい。しかし、宮古で接続する山田線盛岡~宮古間はたった4往復で、三陸鉄道は盛岡方面の交通機関は106急行バスの乗り換えを案内するほどだ。
先述の久慈~普代間乗車の団体ツアー客は、貸し切りバスで久慈入りした。ツアー以外の観光客、旅行客が三陸鉄道に乗るためにも、JR東日本と連携し、例えば、かつて盛岡~宮古~釜石~花巻~盛岡間運転の臨時快速「ぐるっとさんりくトレイン」を復活させるなど、活性化につながる施策が必要ではないか。