国産初のスペシャルティカー! トヨタ「セリカ」という衝撃 1.6リッターDOHCエンジン搭載、あなたは1970年の閃光を知っているか

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「未来の国からやってきた」――。そんなコンセプトを冠してトヨタ・セリカが登城したのは1970年。このモデルが当時の社会に与えたインパクトとは。

エンジンや内外装を選べる斬新なシステム

 DOHCといえば、それまで2リッターの3M、1.6リッターの9R、そして1.9リッターの10Rという3種類のユニットが、一部の特殊なモデル(トヨタ1600GTやコロナ・マークIIGSS)や高価なモデル(トヨタ2000GT)のためだけに用意されていたスペシャル中もスペシャル。

 しかしセリカのデビューによって、わずか87万5000円でツインカムユニットのフィールを味わうことができるようになったのである。

 さらにセリカにはユーザーの気持ちを刺激するユニークなシステムが用意されていた。それがフルチョイスシステムである。

 このシステムの内容は、基本的に3種のエンジン、3種のミッション、3種の外装、8種の内装の中から、ユーザーが好きな組み合わせを選ぶことができたというもの。

 エンジンは1.4リッター、1.6リッター、1.6リッターツインキャブ。ミッションは4速マニュアル、5速マニュアル、3速AT。外装はET、LT、ST。内装はベーシック、デラックス、カスタムであり、それぞれにタコメーターなどのスポーツ装備を加えたS、さらにデラックスとカスタム内装ではS+ウッドパネルのSWも選ぶことができた。

 ここまででピンときた人もいると思うが、1.6リッターDOHCツインチョークソレックス/5速ミッションのGTは、専用のエンジン、外装、内装を備えるという、いわゆるフルチョイスシステムの一部でありながら、他の仕様は選べないグレードであり、セリカの中でも特別な存在だった。

 ちなみにこのシステムは完全に自由だったわけではなく、1.4リッターはカスタム内装が選べなかったり、1.6リッターツインキャブはS以上の内装でなければ組み合わせることができなかったりといった具合に、エンジンのグレードに応じて選べる内装の種類は制限されていた。