陸空ライバルなのになぜ? 「鉄道」「空港」が各地で乗り入れ・置き換えを進める業界事情
年々利便性を増す、鉄道での空港アクセス。陸路と空路のライバル同士が、その連携を強めている。こうした傾向は、日本国内にとどまらない。
本格的な連携を深める鉄道と空港
鉄路と空路はこれまで、常にお互いをライバル関係として歴史を刻んできた。
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現在、ヨーロッパ域内にこれだけ高速鉄道が整備された背景には、航空機との熾烈(しれつ)な競争があったからに他ならず、航空機との競争がなければ現在の鉄道網の発達はなかったと言っても過言ではない。
そんなライバル同士が手を組もうという流れになったのは、1980年代以降から。
まずドイツのルフトハンザが、短距離で運行コストが高額となっていたフランクフルト―デュッセルドルフ間を鉄道で置き換え、コストを削減したいという考えのもと、1982年から当時のドイツ連邦鉄道と手を組んで、ルフトハンザ・エアポート・エクスプレスの運行を開始した。
ただ、あくまで地上を走る航空機という扱いで、一般の鉄道の乗客は利用できなかった。
後にシュツットガルトへも運行されるなど路線を拡大したが、専用列車での運行は1993年にいったん終了。現在はルフトハンザ・エクスプレス・レイルと名前を変え、通常の列車を航空機として扱い、航空券に切り込みで予約することが可能となっている。
さらに現在は、スターアライアンスのマイル加算の対象にもなっている。