「バス利用者 = 低所得者」のイメージを大転換! ベトナム初の電気バス会社「ビンバス」の巧みな企業戦略に迫る
ビンバスは2021年4月に正式に運行を開始したベトナム初のスマート電気バス会社だ。同社サービスの優位性について解説する。
ビンホームの付加価値にになるビンバス
ビンバスの親会社であるビングループは、さまざまな事業を多角的に展開している。
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ビングループが手がける不動産・ビンホームは、ベトナムの大都市にいくつもあり、ビンホーム内には学校(Vinschool)、病院(Vinmec)、デパート(Vincom)、自動車(Vinfast)などがそろっている。言うなれば、ひとつの都市がビングループ系列企業だけで形成されているのである。
ビンバスは、そのようなビンホーム内を始点・終点として市内の主要地点を結ぶ路線を展開している。ビンホーム内に居住する一般市民の生活満足度を向上させるツールとなっており、非営利企業ながらもビングループのブランド力を高める一助となっている。
ビンバスは、ビングループの子会社として非営利モデルで公共旅客輸送事業に参入したばかりだ。利益はすべて、システム開発や路線拡大、サービスの品質向上に100%再投資される。まだ運行したばかりで路線は少ないが、今後さらに路線を拡大することで、公共交通機関に対する人々のマイナスイメージを変えてくれることだろう。
また、ベトナムが抱える大気汚染問題の解決や、脱炭素化社会の実現・再生可能エネルギーへのシフトへの先駆的な措置を講じていくだろう。ベトナム政府も、2030年度までに首都ハノイ市の公共交通機関の分担率を50~55%に引き上げることを目標としており、今後のビンバスのさらなる展開に注目が集まっている。