まるでリアルF-ZERO! 走りながら充電する「走行中給電システム」に立ちはだかる6つの壁とは

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世界で走行中給電システムの開発が盛り上がりを見せている。ネット上でも「リアルF-ZERO」と人気だが、当然課題もある。

非接触式や接触式などが現在開発中

架線下で充電中の電気トラック(画像:Siemens)
架線下で充電中の電気トラック(画像:Siemens)

 現在、さまざまな方式の走行中給電システムが開発中であり、非接触式と接触式に大別される。

 非接触式には、主に以下の三つの方法がある。

・磁界結合式:送電側および受信側に設置したコイルにより磁界エネルギーを媒介して充電する方式
・電界結合式:送電側および受信側に設置した電極により電界エネルギーを媒介して充電する方式
・電波受信方式:マイクロ波をアンテナで受信して充電する方式

 現在最も開発が進んでいるのが、磁界結合式である。先のイギリスの高速道路をはじめ、韓国やスペインなどでは路線バスの充電システムとして実用化に向けて実験されている。

 電界結合式は、本年度から山梨県などの支援を含め産官学連携で実証実験が行われる。なお、この電界結合式の実証実験は世界初とのことだ。電波受信方式も実証実験は行われているものの、現時点では送電電力が小さく、かつ伝送効率も悪いため、今後の研究開発の進展が期待されている。

 また接触式の分野では、電車で使用されているパンタグラフやアームを取り付けたトラックが、架線下を走行中に充電する方式などが実証実験中である。ドイツで行われている実証実験では、高速道路に架線を設置し、架線下走行中にパンタグラフを介して充電し、充電区間を終えるとバッテリーで走行する仕組みだ。

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