脱炭素の大号令、実は上級国民の「綺麗事」に過ぎなかった? BEVを通して再考する
世界各国で開発が進み、その販売台数も急増しているバッテリーEV。しかしそれは、本当に環境に優しい乗り物なのだろうか。
BEV ぜいたくな生活を維持する免罪符
1997(平成9)年に発売されたトヨタ・プリウスは、唯一の本格的環境車として世界市場に登場し、当初は環境意識の看板としてプリウスを買う人も多かった。
しかし、時間をかけてコストを下げ、性能を高めることにより、HEVは市場全体に拡大し、2021年の日本市場では電動車(BEV、FCEV、PHEV、HEV)のシェアが44.7%となった。
BEVを否定はしないが、まだ補助金抜きでは市場を獲得できないうえに、発電と製造時を含むLCAでのCO2排出量はHEVと大差がない、発展途上の技術だ。
一方、車体とエンジンの小型・軽量化「ダウンサイジング」は、省エネルギー、省資源、低コスト、高性能、快適性を同時に実現できる完成された環境技術だ。
1960年代の英国のミニやイタリアのフィアット500など、欧州の車は現在の軽自動車よりも車体は小さかった。
この半世紀で人間の体格が倍になったわけでもないのに、今や車体サイズは倍以上、エンジン出力は10倍以上の車も多い。
日本の環境では軽自動車が使いやすい。平均体格の大きな欧米人などでも、日本の5ナンバーサイズの車なら不都合はない。