脱炭素の大号令、実は上級国民の「綺麗事」に過ぎなかった? BEVを通して再考する

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世界各国で開発が進み、その販売台数も急増しているバッテリーEV。しかしそれは、本当に環境に優しい乗り物なのだろうか。

ガソリン車とEV エネルギー効率で比較

フォードF-150 ガソリン車、BEV、テスラ3、プリウスのLCAでのCO2排出量を比較(画像:ペンシルバニア州エネルギー・環境研究所)
フォードF-150 ガソリン車、BEV、テスラ3、プリウスのLCAでのCO2排出量を比較(画像:ペンシルバニア州エネルギー・環境研究所)

 まず、エネルギー効率;1ガロン(3.79L)のガソリンまたはそれと等価の電力で走行可能なマイル(1.6km)数「mpg(e)」を比較する( [ ]内はkm/Lへの換算値)。

1. テスラ3 : 141mpg(e) [59.5km/L]
2. F-150ライトニング(BEV) : 70 [29.6]
3. プリウスHEV : 52 [21.95]
4. F-150ガソリン : 22 [9.29]

 小型BEVのテスラ3が最良だが、大きく重いピックアップ・トラックでもBEV化すれば、HEVのプリウスよりもエネルギー効率が良くなる。

 次に、ガソリンと電力製造時に消費されるエネルギーを差し引いた「正味」エネルギー効率である「mpgE」を比較すると、

1. プリウスHEV : 52mpgE [21.95km/L]
2. テスラ3 : 45 [19.0]
3. F-150ライトニング : 23 [9.71]
4. F-150ガソリン : 22 [9.29]

 プリウスHEVが最良となり、F-150ライトニングの優位性は失われる。

 さらに、製造時と走行時のCO2排出量を、年間走行2万1600kmと仮定して、日当たり排出量(kg)を計算すると、

1. F-150ガソリン : 14.9kg
2. F-150ライトニング : 9.08
3. プリウスHEV : 6.36
4. テスラ3 : 2.27

となり、走行中はゼロ排出のF-150ライトニングも、LCAでは多くのCO2を排出していることを明らかにした。

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