次世代半導体より遥かに重要な「半導体不足解消」 手本にすべきはテスラだ

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自動車各社は年間生産台数や販売台数を引き下げている。その背景にあるのが半導体不足だ。そもそもなぜ、半導体不足にあえいでいるのか。

勝者・敗者の分かれ道とは

集積回路のイメージ(画像:pixabay)
集積回路のイメージ(画像:pixabay)

 つまり、半導体を安定的に調達できるかできないかが、自動車業界の勝者敗者の分かれ道となる。

 自動車に使用されている半導体には、

・マイコン
・プロセッサー
・メモリー
・センサー類

がある。そのうえ、ハイブリッド車や電気自動車となるとモーターの制御や電力の変換を行うパワー半導体が必要になる。車種にもよるが、1台あたりマイコンを100個以上使用しているともいわれており、これらのうちどれかひとつ欠けても自動車は動かないのだ。

 今まで半導体メーカーは、自動車メーカーを頂点としたピラミッド構造でいえば、3次下請けレベルの位置付けであった。しかし、価格の安い(あまりもうからない)自動車向けの半導体生産に「No(ノー)」を突きつけられている現在、自動車メーカーは半導体メーカーとの付き合い方を変えなければならない。

 ちなみに、テスラは半導体を自社で設計し、かつソフトウエアを作成している。また、他の自動車メーカーのようにサプライヤーを通じて半導体を仕入れるのではなく、半導体メーカーと需給見通しを調整しながら直接取引しているそうだ。

 これにより、特定の半導体メーカーにこだわることなく自由に調達することが可能となるとともに、自社設計により代替品にも柔軟に対応できるようになる。今のところ他の自動車メーカーのような半導体不足はどこ吹く風のようだ。足元の半導体不足解消に向けて、テスラから学ぶべきことはたくさんある。

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