次世代半導体より遥かに重要な「半導体不足解消」 手本にすべきはテスラだ
自動車各社は年間生産台数や販売台数を引き下げている。その背景にあるのが半導体不足だ。そもそもなぜ、半導体不足にあえいでいるのか。
8社出資の国産半導体量産製造拠点

先日、トヨタ自動車やデンソー、ソニーグループなど8社が、先端半導体の国産化に向けた新会社Rapidus(ラピダス)を共同で設立することが明らかになった。出資比率は、トヨタやデンソーなど7社がそれぞれ10億円、三菱UFJ銀行が3億円となっている。
ラピダスが国の次世代半導体プロジェクトにおける量産製造拠点を担うとともに、日本版NSTCとなる技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)が研究開発拠点を担い、研究開発と量産化を並行して押し進める計画である。なおNSTCは、National Semiconductor Technology Centerの略称であり、CHIPS法に基づいて設立されたアメリカの半導体技術センターだ。
なお、このプロジェクトで開発を目指す次世代半導体は「Beyond 2nm(ビヨンド2ナノ)」と呼ばれている。回路線幅が2nm(1nm = 1mmの100万分の1)のロジック半導体であり、実用化に向けて世界各国がしのぎを削っているところだ。
国を挙げて次世代半導体プロジェクトに取り組む背景には、日本の半導体産業の衰退がある。今では「世界からは10年遅れ、先端ロジック分野では発展途上国」に成り下がっているのだ。
このため、10年分の遅れを取り戻すだけでなく、次世代半導体市場に参入すべく躍起となっているが、5兆円ともいわれている設備投資や収益性など解決すべき課題は多いとのことである。