意外と知らない「ハイエース」の歴史! サーファーが愛し、窃盗団が狙う 堅実車両の変わらぬ魅力とは

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「職人の車」として知られるトヨタ「ハイエース」。知っていそうで意外と知らないその歴史に迫る。

サーファーも注目

サーファー(画像:写真AC)
サーファー(画像:写真AC)

 その魅力は、1980年代から早くも注目されている。発売当初からハイエースは、

「職人の車」

として普及した。建設作業員などの「ガテン系」にとって、多くの荷物や道具を運ぶことができる点が人気となった。また、広さを利用して、荷台部分に棚を取り付けることも問題なかった。そのため、クリーニングや宅配業者などの

「多くの荷物を扱う職業」

にとっても魅力的だった。

 そんな荷台が「レジャーにも使える」と知られたのは。1980年代である。最初はサーファーの間で普及したと言われている。荷台はサーフボードを収納するのに便利で、ぬれたウエットスーツなども難なくしまえた。さらに、休憩したいと思えば簡易ベッドを広げることもできた。

キャンピングカーに劣らない車種も登場

キャンプ(画像:写真AC)
キャンプ(画像:写真AC)

 ハイエースをさらに幅広くレジャーとして利用してもらおうという試みは、1990年代から活発になっている。それがハイエースに特装を施した「クルージングキャビン」のシリーズだ。

 とりわけ1994(平成6)年に販売された「クルージングキャビンS」は「ハイエース スーパーロングラン」をベースに、

・流し台
・コンロ
・給排水タンク

などを装備。さらに上段ベッドなども備えて大人4人が就寝できるようにした。

 キャンピングカーに劣らない装備だったが、価格は四輪駆動・五速自動が420万8000円。当時、キャンピングカーが1000万円程度かかることを考えると、驚異的な価格だった。

 1990年代後半になり、マイカーのトレンドがミニバン、ワンボックスなどの車体へと移行すると、ハイエースはこれに反応した。1997年4月に発売された「ハイエースレジアス」は、座席を倒す、回転、取り外すなどの作業によって、約100通りの空間を演出できると話題になった。

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