「奈良に行くなら近鉄」達成なるか? 12月“攻めのダイヤ改正”に踏み切る近鉄の本気度

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近鉄が京都線で“攻めのダイヤ改正”を展開する。その背景には何があるのか。

上り特急京都行きの高の原停車の追加

高の原駅(画像:(C)Google)
高の原駅(画像:(C)Google)

 高の原駅は奈良県に所在し、徒歩数分で京都府に入る。府県をまたぐカタチで平城(へいじょう)・相楽ニュータウンが整備されており、1日平均の乗降人員は2万7758人。京都線では京都、大和西大寺、近鉄丹波橋に次ぐ多さだ。

 現在のダイヤでは、下り京都15時10分発以降の定期特急(あをによしは全列車通過)が停車し、帰宅客向けのホームライナー的な存在といえる(特急料金520円)。

 一方、上りの平日は高の原9時24分発、土休は高の原9時39分発の特急京都行きが最終となり、以降はすべての特急が通過する。今回のダイヤ改正で、上りの特急京都行きは9~12時台に6本が追加停車し、利便性の向上を図る。

運賃値上げ前に利便性を向上させる

近鉄京都線(画像:写真AC)
近鉄京都線(画像:写真AC)

 京都線で“攻めのダイヤ改正”を展開する背景として考えられるのはふたつある。

 ひとつ目は、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ収益の回復。12200系新スナックカーを約3.3億円かけて改造した19200系あをによしが増発するのだから、“収益回復の起爆剤”となった格好だ。

 上り特急京都行きの高の原停車の追加で利用客が少しでも増えれば、将来は京都~近鉄奈良・橿原神宮前間の定期特急に限り、全列車の停車。関西文化学術研究都市の最寄り駅である新祝園(しんほうその)の新規停車も考えられる。また、土休の烏丸線直通急行のあり方も検討されよう。

 ふたつ目は、2023年4月1日にバリアフリー料金制度を導入しない形で運賃を値上げすること。京都~新祝園間は大人500円から590円、京都~高の原間は570円から680円、京都~近鉄奈良間は640円から760円、今回取り上げていない大阪難波~近鉄名古屋間は2410円から2860円、最大241kmから250kmまでの区間は3110円から3690円に変わる(特急料金は据え置き)。

 運賃値上げ前にダイヤ改正を実施して、利便性を向上させることにより、観光客など新たな顧客の確保、今までの顧客が他社線に流出することを防ぐねらいがある。今回のダイヤ改正は“社運を懸けた背水の陣”ともいえる。

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