ただの懐古趣味じゃない! 1964年誕生「初代シルビア」が今でも全然色あせないワケ
1964年の第11回東京モーターショーに参考出品された日産のダットサン・クーペ1500。半年後にニッサン・シルビアとして発売されるこの1台は、今でも色あせない魅力を放ち続けている。
製作は「ほぼハンドメイド」
これらのことから分かることは、ニッサン・シルビアはショーモデル、すなわちダットサン・クーペ1500の段階から、すでに市販化をハッキリと想定していたということに他ならない。
そうでなければ、ワンオフのショーモデルから半年で市販車に仕上げることなど、不可能だったはずである。
ニッサン・シルビアのボディ・デザインは、主にBMWのスポーツクーペのデザインを手掛けていたアルブレヒト・ゲルツの作にインスパイアされた、日産社内によるものと伝えられている。
ボディ製作については、オリジナルデザインをしっかりと踏襲するために特にディテール部の仕上げに留意されており、製作はほぼハンドメイドで行われたとも言われている。
その結果、シルビアのボディは、1960年代の市販車としては抜群の完成度の高さを誇ることとなった。
具体的にいうと、それはいわゆるドアとボディ、ボンネットフードとボディといった開口部と可動部のチリの相具合や各部の立て付けの良さ、そして表面仕上げの良さに他ならず。少なくともボディの工作精度の高さでは、国産最優秀という客観的評価を獲得することができたのである。
このことをさらに具体的に検証してみよう。