SuicaやPASMOの「二の舞」に? 最近「交通系アプリ」が地域ばらばらに乱立しているワケ
さまざまな交通機関を束ねる便利なMaaSアプリが、全国各地で乱立している。地域ごとにばらばらなツールが登場している理由は何か。今後の展望と併せて解説する。
2. プラットフォーマーを目指した
自動運転がその程度によってレベル分けされているように、MaaSにもレベルが設定されている。
MaaSレベル0が「統合なし」、レベル1が「情報の統合」、レベル2が「予約・決済の統合」、レベル3は「サブスクリプションなどのサービス提供の統合」で、レベル4が「社会全体の目標の統合」だ。
また、MaaS先進国のフィンランドや欧州のMaaS推進団体「MaaSアライアンス」は、オープンデータ・オープンAPIによって、交通事業者ではない第三者がサービスを提供するモデルを提案した。
これがGAFAの登場と重なるなどしたことも背景に、モビリティ業界のプラットフォーマーになるのは誰か、顧客との直接的な接点は渡したくないと、MaaSアプリをめぐる競い合いが生じたのだ。
日本の初期の代表的なMaaSアプリは、東急の「Izuko」、小田急の「EMot」、JR西日本の「WESTER」、トヨタ自動車の「my route」など、鉄道事業者を中心とする民間が主体となった。