コロナ禍なのにむしろ増収! 元Jリーガー志望の社長が「駐車場予約アプリ」で大躍進を遂げたワケ

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モビリティ分野のスタートアップ企業にインタビューするシリーズ企画。第5回目は、駐車場予約アプリ「akippa」を運営しているakippa株式会社(大阪市浪速区)の代表取締役社長CEO・金谷元気氏。

Jリーガーを目指した社長が商売に目覚めたとき

 akippaの創業社長である金谷元気を知る人は、その人となりについて「型破り」「破天荒」という言葉を自然と思い浮かべるだろう。

 高校卒業後、Jリーガーを目指してプロチームの練習生となった金谷。サッカーの傍らアルバイトをする生活を続けていたある日、デート中に雨が降った。

 100円ショップで傘を2本買った後、通りすがりの会社員に1本300円で買わないかと持ち掛けたら売れた。金谷が「これや」と商売の面白さに気づいた瞬間である。笑い話のようだが、そこで金谷はビジネスに目覚めた。

 22歳になったらサッカー選手の夢を諦めて起業すると考えていた。世間を知るために一度就職することを決めた。縁あって上場企業に採用され、マネージャーになるという目標を2年で達成し、退職。資本金5万円で自分の会社を立ち上げると、営業会社として法人向け携帯電話の販売などを行った。

 もっとも、当時の金谷には確固たるビジョンはなかった。営業数字を意識し過ぎたことでクレームが発生し、共同創業者から「この会社のミッションは何ですか?」と聞かれると「ゆっくり考える」と答えるほどだった。

 そんな金谷を変えたのは、ある日の電気が使えなくなった経験だ。「電気がないと困る……」と痛感した金谷は、ミッションを「『なくてはならぬ』をつくる」と決めた。社員を集めると、全員で200個の「生活していて困ること」を書かせた。

 さまざまな声が集まったなかに「コインパーキングは、現地に行ってから満車だと知るため困る」という声があった。これが金谷の目にとまった。akippaの方向性が定まった瞬間だ。

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