マツコ「田園都市線は嫌い」発言から垣間見える「凄まじい混雑率」 東急大好きライターが敢えて苦言を呈す!

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「私は田園都市線が嫌いです」というタレントのマツコ・デラックスさんの発言が注目を集め。SNS上をにぎわせた。この発言に少なからぬ賛意が集まる背景について、同線の成り立ちから探ってみたい。

田園都市線の持つ「やり場のなさ」

中央林間駅(画像:写真AC)
中央林間駅(画像:写真AC)

 筆者は、田園都市線の沿線が「都心からやや遠い住宅地」として開発されていることにあると考える。沿線は閑静な住宅地が広がっており、マイホームを構えるには最適だ。一方、その住みやすさの代償として、住民は住宅ローンを払うために必死で都心へ通勤することを余儀なくされてきた。

 残念ながら、そんな住宅も沿線駅近くに構えるのは至難の業で、駅までバスを使う住民も多い。地域の拠点である駅も周辺にちょっとした商店はあるものの、決してにぎわっているとは言えない。

 働く人にとっての、この利便性の悪さが殺伐とした雰囲気の原因となってきたのではないか。同じように、遠方から都心への通勤客を運ぶ小田急線の場合には、ロマンスカーがある。平日の夕方ラッシュ時には、別料金を支払えば確実に座って一息つきながら帰れる。しかし、田園都市線にはそれがない。この

「やり場のなさ」

こそが、田園都市線が嫌われる原因だろう。

 ただ、コロナ禍ではテレワークのほか、時差出勤も普及しているため、混雑率は次第に解消されていくだろう。さらに、最新技術を使って時差出勤はより効果的になることが期待されている。

 2020年、東急電鉄は東京工業大学と連携し、電車の混雑度を可視化する実験を実施している。これは東急田園都市線の駒澤大学駅のホームに同大が開発した解析装置を設置し、電車が通過する際、車内のスマートフォンが発進する電波を受信。その後、AIが混雑度を推定し、同時に高速度カメラで車内の様子を人の目で確認、AIの推定内容を検証し、制度を高めるものだった。こうした技術が普及することで、混雑時の利用を避ける人が増えれば状況は改善されるだろう。

 筆者は、こうした田園都市線へのマイナスイメージが少しでも減少していくことを期待してやまない。

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