住民一体! 福島ロボットテストフィールド「実証実験の聖地」ぶり 初のエキスポ開催

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福島・浜通り地域における復興のひとつの目玉として整備された「福島ロボットテストフィールド」で、初のエキスポが開催。ロボットの実証施設として世界でも類を見ない充実ぶりであるだけでなく、地元の期待と思いもひしひしと感じられた。

地元が超ウェルカムなのがうれしい!

南相馬市の機械金属加工企業と福島ロボットテストフィールド、南相馬市、教育機関が連携して開発したインフラ点検用ロボット「MISORA」(竹内 修撮影)。
南相馬市の機械金属加工企業と福島ロボットテストフィールド、南相馬市、教育機関が連携して開発したインフラ点検用ロボット「MISORA」(竹内 修撮影)。

 南相馬市による手厚いバックアップ体制も、福島ロボットテストフィールドのアドバンテージになるのではないかと筆者は思う。

 同市は入居企業や実証試験のため福島ロボットテストフィールドを訪れる企業に対して、交通費や宿泊費の2分の1を負担しているほか、貸事務所や貸工場の整備、入居企業の従業員のために住居の斡旋なども行っている。

 福島ロボットテストフィールドの利用者にはスタートアップ企業が多いが、事業化までに時間のかかる産業に取り組む中で、南相馬の手厚いバックアップ体制の存在は心強いものだろう。筆者が話を聞いた入居企業の幹部は、雇用の創出だけでなく、出来る限り地元企業から部品や備品などを調達することで、共栄していきたいと話した。

 そして、このフィールドを通じて共栄していきたいという思想は、地元住民の中にも広がりつつある。南相馬市は機械金属加工を基幹産業のひとつとしているが、それに携わる企業と福島ロボットテストフィールド、南相馬市、会津大学などの教育機関が連携して、短期間でゼロからインフラ点検用ロボット「MISORA」を開発するなど、地元企業や教育機関がロボット産業に進出するための動きも起こっている。

 また南相馬市内のホテルや飲食店などでは、福島ロボットテストフィールドにちなんだ「ロボテスコラボメニュー」を提供する試みも行われるなど、共栄の思想は他産業にも波及しつつある。

 福島ロボットテストフィールが今後どのように発展していくかは未知数だが、地方振興と新産業創出という、日本が取り組むべき大きな課題をクリアできるポテンシャルを秘めていると筆者は感じたし、それ故に今後も注目していきたいと思う。

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