静岡「リニア問題」いまだ解決せず! 川勝知事の憤怒の裏にあった、JR東海からの長き冷遇の過去

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静岡県・川勝平太知事の発言などで注目を浴びているリニア中央新幹線。そんなリニア中央新幹線だが、他に問題はないのだろうか。

時代遅れな工事手法

 筆者はリニアに対し、賛成・反対をするに際し、リニアとはどのような交通手段であるのか知る必要があり、山梨県の実験線で試乗するだけでなく、リニアに関する講演会やセミナーにも参加している。リニアに関する講演会・セミナーに関しては、賛成派だけでなく、反対派が主催する会にも参加して幅広い意見を集めるようにした。

 大井川の水の枯渇問題も重要だが、大量に出る土砂に対する問題にも関心があった。これに対して、一部の土砂は工事に再利用されるがどこへ持って行くのか、その後の処理が気になっていた。

 そんなとき、JR東海の初代社長だった須田寛氏の講演を聴く機会があり、リニアで発生した土砂の処理について、質問を行った。須田氏の回答は、

「一部の土砂は再利用する。残りの土砂は、浅瀬を造ってほしいという要望があったりするため、そこへ埋め立てる考えである」

とのことだった。反対派は大井川の水問題を重視しており、残土の問題に対してはあまり関心を示していなかった。反対派のセミナーに参加した際、工事の様子を紹介したビデオを視聴した。そのとき、ダンプカーが大量の土砂を積んで、道路を走り回っている光景を見て、がくぜんとした。

 今から50年以上も昔、ポートアイランドを造成する際、神戸市北部にある鶴甲(つるかぶと)山を削り、その土砂を埋めてポートアイランドの造成を行ったが、土砂はダンプカーを使用するのではなく、地下にベルトコンベヤーを設置して運んだ。その方法を採用すれば、神戸市内の道路交通渋滞を激化させることもなければ、交通事故も増加させない上、当時は国道43号線を行きかうトラックの排ガス問題が顕在化しており、これを悪化させることもない合理的な判断だった。

 ところが今回のリニアの工事において、静岡県内などの山間部では土砂を積んだダンプカーが走り回っており、

「地域住民に対する配慮に欠いた時代遅れな工事手法」

だと感じた。

 山間部の人口の希薄な地域だが、このような工事手法では、地域住民、中でも高齢者は危なくて外出することに支障を来す上、交通事故の増加が懸念される。またダンプカーの騒音など、静かな住環境が破壊されてしまう問題もある。

 残土に関しては、地下にベルトコンベヤーを通して鉄道貨物駅や清水港へ運び、そこから列車や船舶で輸送する方法を検討するべきだ。

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