「低速EV」帝人と豪社が開発 自動運転可能の台車+ソーラーでエネ効率は「最高レベル」

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帝人とオーストラリア企業が、低速EVを共同開発。自動運転に対応したEV向け「多目的プラットフォーム」に、ポリカーボネート樹脂製の窓やドア、太陽電池搭載のルーフなどを組み合わせたもので、エネルギー効率は自動走行車としては過去最高レベルという。

ルーフにソーラーパネルと軽量給電モジュール搭載

帝人と豪社が共同開発した低速EVプロトタイプ(画像:帝人)。
帝人と豪社が共同開発した低速EVプロトタイプ(画像:帝人)。

 帝人は2021年3月30日(火)、オーストラリアのApplied EV社(AEV社)と、低速EV(LS-EV:Low Speed Electric Vehicle)を共同開発したと発表した。

 2社は、将来のEVに求められる技術基盤を獲得・整備するため、2019年からLS-EVの共同開発を進めている。LS-EVは、帝人の軽量・高強度素材、加工に関する最先端技術、成形ノウハウと、AEV社が保有するLS-EVの基本設計や、低エネルギーでの駆動・制御などに関する技術を最適条件で組み合わせて設計した。乗車は4人まで可能。

 2021年2月、2社は、自動運転に対応した、EVのシャシーや台車とも呼べる多目的プラットフォーム「Blanc Robot」(ブランク・ロボット)を開発したと発表したが、今回のLS-EVは、このBlanc Robotを採用している。

 車体の窓やドアは、帝人のポリカーボネート樹脂「パンライト」製のグレージングを使用。「パンライト」は軽量・耐衝撃性のほか、赤外線遮断性も有するため室内の温度上昇を抑えられるという。

 ルーフはソーラーパネルと軽量給電モジュールを搭載し、オーストラリアの日照条件下での試験では、一般的なソーラーパネルと同等の約330Wを記録。このほか、断熱性なども考慮することで、エネルギー効率は2社が目標としてきた歩行者レベルの消費エネルギーとほぼ同等で、自動走行車としては過去最高レベルとしている。

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