色とりどりの「海上コンテナ」 カラーリングの違いにはこんな意味があった!

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普段見かける色とりどりの海上コンテナにはどんな違いがあるのか、知られざる海上コンテナの実態について紹介する。

船会社によって差があるコンテナ品質

デポでコンテナをチェックする職員(画像:久保田精一)
デポでコンテナをチェックする職員(画像:久保田精一)

 海上コンテナは常に損傷のリスクにさらされている。海上コンテナの船からの積み卸しは、キリンのような見た目をした専用のクレーンで行う(正式名称はガントリークレーン)。

 このクレーンは1個のコンテナを2分程度と高速で処理するため、コンテナには相当な荷重がかかる。それ以外にも輸送途上の揺れや、貨物の内容物の漏出も含め、コンテナは常に損傷リスクを抱えている。

 仮にコンテナに損傷があると、それがごく小さな穴であっても、雨が降り込むなど貨物に損害が生じる。そのようなことのないよう、コンテナは船会社指定のデポ(物流拠点)に返却された後に外傷等のチェックが行われる。

 デポにはコンテナを修理するための溶接機などが備え付けてあり、鉄板を溶接してふさぐといった修理が行われる。港でじっくり探せば、溶接跡のあるコンテナを見つけることができるはずだ。

 なお、チェックや修理を行うデポは港湾のほかに、内陸部にも多数存在する。コンテナの品質には業界規格があり、一定である建前であるが、実際にはこれらデポにおけるメンテナンスのレベルにより差が生じる。「コンテナ品質の高さ」をアピールする船会社もある。

白色が多いリーファーコンテナ

通常のコンテナ(上)とリーファーコンテナ(画像:久保田精一)
通常のコンテナ(上)とリーファーコンテナ(画像:久保田精一)

 カラーリングという点で特徴的なのは、冷凍・冷蔵の機能を持ったリーファーコンテナだ。リーファーコンテナは食品などの輸送で利用されている。

 日本のONEのコンテナは上記のとおりピンク色基調だが、リーファーコンテナは白基調にピンクのロゴのデザインになっている。他の船会社も同様で、リーファーコンテナはほぼ白で統一されている。これはいうまでもなく、カラーリングが冷却効率に影響するためだ。

 アジア~欧州航路など基幹航路の多くは赤道直下を経由する。さらに港に着いたコンテナは屋根のない屋外にそのままじか置き保管される場合が大半である(もちろん、電源は外部から供給される)。光を反射しやすい白色のほうが温度上昇が起きにくいため、ほとんどの船会社では白系を採用しているのだ。

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