運転中のドライバーを襲う「意識不明の事故」 プロドライバーさえ防げない悲劇、その根本原因とは何か?
運転中にもしドライバーが意識を消失したら、クルマは、ドライバー本人はもちろん周囲の人々の命を脅かす凶器と化す。このような事態に対し、ドライバーの体調不良を検知できる仕組みはないのだろうか?
判断ミス減らすことが事故低減へのカギに
残念ながら、人間は間違う。
その間違いが、運悪く最悪な状況下で発生した場合には、人の命を奪う悲劇的な交通事故となる。
ハインリッヒの法則では、「1件の重大事故の背景には、29件の軽微な事故と、300件の異常(ヒヤリハットの発生)がある」と指摘する。実際、多くの人がクルマを運転していて、「ああ、危なかった……」と感じるようなヒヤリハットを経験したことがあるだろう。
それが重大事故につながっていないのは、たまたま運が良かっただけかもしれないのだ。
「あなたは車庫入れが下手だね」のように、運転に対する上手・下手という評価を、運転操作だけに限ってくだす人もいる。だが、こと交通事故に関して言えば、操作ではなく、認知と判断の良し悪しが、より重要なのだ。
日頃行っている、運転行動における認知と判断の誤りを正すことができること。運転中に重大な支障をもたらしかねない健康上のリスクを乗務前に察知できること。
そんなテクノロジーがあれば、悲惨な交通事故を減らしていくことができる。
次話では、そんなテクノロジーをご紹介しよう。