LCCはなぜ格安なのか? その背後にある、涙ぐましい「5つの経費削減術」とは

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格安な航空券が魅力のLCC。その経営スタイルは、普段の経費削減によっても成り立っている。他業種でも見習いたくなる、驚きの社内の「工夫」とは――?

ゲーム感覚で楽しむLCC社員たち

LCCのイメージ(画像:写真AC)
LCCのイメージ(画像:写真AC)

 経費削減、節約、なるべくお金を使わずに……。そう思い詰め過ぎるとどこか心が暗くなるように思う。本稿を読みながら、LCCの社員たちはさぞ大変な思いをしているのだろう、と考えた読者も少なくないのではないだろうか。

 ところが、実はそうでもない。LCCの社員たちは、案外面白がって積極的にこトライしているのだ。

 筆者の肌感覚も含まれるが、LCCの社員はそもそも「何でも面白がる、新しい常識を作る」というマインドの人が多い。だからこそ大手ではなくLCCを選んでいる、という人も多いだろう。

 安全面にはきっちりコストを掛け、掛けなくてもいい部分の無駄は省いていく。その精神は、異業種でもぜひ見習いたいところだ。

チリも積もれば山となる

 今回紹介した経費削減例はほんの一例である。もちろん、もっと大きな規模の努力や工夫もあって低価格の航空運賃が実現しているわけだが、日々の小さな削減も年間で見ると大きなコストカットにつながっているだろう。

 そして、経費削減術は思わぬ副産物も生む。

 ジムに行かずとも階段の昇降をすることでちょっとした運動になり、日々のフライトを安全に進める体力づくりの一環になる。また、軽い運動は気分転換やストレス解消につながり、利用者へのサービス向上になる可能性がある。

 自分たちで掃除したり、メーカーがバラバラな備品を導入したりすることで、それをきっかけに話をするようになり、社員同士の交流が生まれ、わざわざ会議を設定せずとも普段から忌憚(きたん)のない意見交換ができるようになる可能性が生まれる。

 結果、業務の進捗(しんちょく)がスムーズになることが期待できる。

 今回は航空会社に限らず、他業種の企業でも実践できうることを挙げた。明日から少しだけ意識してこれらの行動を取ってみるのはどうだろうか。もう体に染みついてしまった仕事のルーティンにも、何か小さな変化をもたらしてくれるかもしれない。

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