LCCはなぜ格安なのか? その背後にある、涙ぐましい「5つの経費削減術」とは

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格安な航空券が魅力のLCC。その経営スタイルは、普段の経費削減によっても成り立っている。他業種でも見習いたくなる、驚きの社内の「工夫」とは――?

2. ロッカーの「名前磁石」は持参する

LCCの機内のイメージ(画像:写真AC)
LCCの機内のイメージ(画像:写真AC)

 LCCに限らず航空会社の乗務員は、全員が毎日出社するわけではない。そして、ロッカーを使うのはフライトがあるときだけだ。そのため、LCCでは基本的に個人用の据え置きのロッカーはない。

 とあるLCCでは、業務中だけ名前を書いた磁石をロッカーに貼って使用、仕事が終われば磁石は外して中身も全て持ち帰る、というルールが実践されている。

 この仕組みならば会社で設置するロッカーの数は少なくて済み、ロッカースペースも節約できる。名前磁石を乗務員が持ち帰る必要はあるが、大した荷物にもならないし仕事に支障は出ない。

 個人の据え置きロッカーがあると、ついつい不要なものをロッカーに残してしまうこともあるが、全て荷物は持ち帰ることになるため、会社にそもそも不要なものを持って来ない、という意識も芽生える。

 無駄を省くという会社の意識が非常によく伝わってくるルールで、このも節約術にもLCC“らしさ”を感じることができる。

3. 制服は自宅に持ち帰って洗う

 大手では、制服や作業服などの着終わったものは、クリーニングボックスに出しておけば数日後にはきれいになってアイロンまでされて返ってくる。しかし、LCCの中には自分で持ち帰って洗う方法を採用する会社もある。

 面白いことにそのような会社では、そもそも制服が自宅で洗いやすい素材で作られているのだ。ジャケットも洗濯機で丸洗いができる仕様になっていたり、シャツの通気性が高く自宅で洗濯してもすぐに乾くようになっていたり、ホームクリーニング向けも工夫された素材選びがなされている。

 常に手元に制服があることで「自分で管理しやすいので案外、便利だ」というLCC社員もいる。何もかも会社で面倒を見る方が良いというわけではない、ということが垣間見られる好例と言えそうだ。

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