函館本線「山線」廃止 今後のベスト対策は「上下分離」導入と、JR北海道・貨物「第2種」体制の構築だ
函館本線の函館~小樽間は、北海道新幹線新函館北斗~札幌間の並行在来線となり、経営分離が決まっている。今後いったいどうなるのか。
カーボンニュートラルの課題も

今後も有珠山が噴火する可能性がある以上、長万部~小樽間は貨物列車の迂回ルートとして重宝するはずだが、JR貨物は室蘭本線東室蘭と千歳線苫小牧に貨物駅を構えており、消極的なようだ。仮に災害による輸送障害が発生した場合、トラック輸送で対応するにせよ、ドライバーの確保、カーボンニュートラルの観点などの課題もある。
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災害で貨物輸送が寸断されないためにも、JR貨物が長万部~小樽~苗穂間で第2種鉄道事業者の免許取得および実証実験を行うなど、万全盤石の体制が求められる。
1番理想なのは上下分離方式を導入し、JR北海道・貨物が第2種鉄道事業者、沿線自治体、北海道、政府(国)が第3種鉄道事業者(自社が鉄道線路を敷設し、第1種鉄道事業者に譲渡、もしくは第2種鉄道事業者に使用させることができる。自社は運送業務を行わない)という体制の構築だ。
この場合、沿線自治体、北海道、政府が鉄道施設と土地を管理し、JR北海道が引き続き旅客輸送、JR貨物が引き続き貨物輸送を行うというもの。できることなら藤城線も継承してほしいところだ。
参考までに、2022年9月23日の西九州新幹線武雄温泉~長崎間開業後も23年間にわたり、長崎本線肥前山口(西九州新幹線開業後は江北に改称)~諫早間はJR九州が第2種鉄道事業者、一般社団法人佐賀・長崎鉄道管理センターが第3種鉄道事業者という体制を築く。JR北海道、沿線自治体、北海道、政府も長万部~小樽間の再考も含め、検討してみてはいかがだろうか。