「体力も気力も続かない」 定額乗り放題サービス「mobi」のドライバーから寄せられる悲痛な声、AIが蝕む最適化され過ぎた現状とは

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KDDIとWILLERの合弁会社Community Mobilityが提供する乗り放題サービス「mobi」がその利便性から話題となっている。しかしその一方、既存のバス事業者、タクシー事業者は激しく反対している。いったいなぜか。

「30日間5000円」乗り放題サービスの登場

Community Mobilityのウェブサイト(画像:Community Mobility)
Community Mobilityのウェブサイト(画像:Community Mobility)

 こうした中で登場してきたのがmobi(モビ)だ。オンデマンド型(必要に応じて配車を要請する形)の、

「30日間5000円」

でエリア内が乗り放題になるサービスを提供する。配車を行うのはAI(人工知能)だ。

 この事業を手掛けるのは、Community Mobility(東京都目黒区)。同社はKDDIと、格安で利用できるツアーバスを展開して脚光を浴びたWILLER(大阪府大阪市)によって設立された合弁会社である。今後、mobiを全国22のエリアに展開していくとしている。

 新たな需要を創造して生きる道を模索しようとする試みは、これまでも経営共創基盤傘下のみちのりホールディングス(東京都千代田)が行っており、実績を上げている。最新の情報分析で綿密なマーケティングを行い、新たな需要を開拓する――こうした在り方を今後のバス業界は大いに参考とすべきだ。

 大阪では、維新の会がmobiのような事業の導入に積極的だ。そうしたこともあり、大阪では、大阪メトロがmobi同様の定額乗り放題バスサービスを始めた。営業地域は分かれているので競合するわけではないが、今後の展開で競い合いになるのは避けられないだろう。その過程でよりよいサービスが生み出され、利用者の満足度が高まれば望ましい結果となる。

体力も気力もそがれるmobiのドライバー

mobiアプリ利用の流れ(画像:Community Mobility)
mobiアプリ利用の流れ(画像:Community Mobility)

 これに対して既存のバス事業者、そしてタクシー事業者は激しく反対している。mobiなどが広範に展開されるようになれば、利用者はそちらに流れ、バス事業者やタクシー事業者はますます苦しい経営状態に置かれるからだ。

 確かにmobiのような取り組みは利用者にとって利便性が高く、「もっと急速に展開すべき」という主張があるのもうなずける。ただ、その実情を見ると大きな問題点も浮き上がってくる。

 ひとつ目は、mobiのサービスを利用したいと思っても、台数に制約があるため、希望する時間に利用することが難しく、場合によっては相当長い時間待機しなければならない。

 では台数を増やせばいいかというと、そう簡単にはいかない。過剰な台数を抱えることで経営の無駄が生じるからだ。定期路線バスは、利用者に利用時間をある程度決めてもらうことによって効率的に運行台数を管理している。ここがオンデマンドによる需要を満たす際での難しさだ。mobiはAIによって即時に最適な配車ルートが選択され、限られた台数で最大限、オンデマンドの需要を満たすことが可能となる。

 しかし、ここでふたつ目の問題が出てくる。こうした余裕のない「ぎちぎち」のスケジュール管理に、ドライバーが

「体力的にも気力的にも付いていけない」

という状況になっていることだ。

 mobiの問題を検証しようとする労働組合がmobiのドライバーにヒアリング調査を行っているが、そこで出てきたのは、mobiの運行に関わっているドライバーの切迫した声だった。

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