近鉄の運賃引き上げ「17%」は妥当か不当か? アフターコロナで定期券需要大幅減の中身とは
単純推計では1割減ぐらいが妥当か

パーソル総合研究所(東京都港区)が実施した「第七回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する調査」の結果によると、大阪圏における7月第7波時のテレワーク実施率は22.2%であった。
また、国土交通省が実施した「平成27年全国都市交通特性調査」によると、三大都市圏(首都圏・名古屋圏・大阪圏)における通勤(平日)に鉄道を利用する割合は50.4%とのことだ。
今後とも、大阪圏においてテレワーク実施率が22.2%で推移した場合、
「22.2% × 0.504 = 約11.2%」
となり、単純計算では鉄道の通勤旅客が約11.2%減少すると推定される。将来的にテレワークの実施率が約2割で収まるならば、鉄道会社の通勤定期需要への影響はせいぜい1割程度ではないだろうか。
条件付きで認可することが適当

運輸審議会は、申請のとおり認可することが適当であると答申したが、
「近畿日本鉄道株式会社の鉄軌道事業における需要見通しは一定の合理性が認められるものの、想定された旅客輸送量と実績が大きく乖離(かいり)する可能性がある」
と指摘している。併せて、
「経営実績について、実績が想定された収支率となっているのかの検証結果及び計画された設備投資への取組状況について、毎年、当審議会に報告されたい」
と、近鉄に対し要望した。
国土交通省は、審議会の答申を受けて9月2日に申請どおり認可したが、運賃改定後の2023年度から3年間は、総収入と総括原価の実績を確認するとしている。
テレワークなどの新しい生活様式の定着をはじめ、コロナの鉄道収入への今後の影響は誰にもわからない。その上、これまでに経験したことのない、さらなる生活様式の変化が訪れる可能性もある。
ここしばらくは、運賃改定が認可された近鉄の収入動向だけでなく、鉄道をはじめとした公共交通機関へのコロナの影響が注目される。