地方空港に続々就航 地域活性化のカギを握る「チャーター便」という貴重な存在
他社も運航、日帰り遊覧飛行も人気

国内他社にも、観光目的のチャーター便はある。
北九州空港を拠点とするスターフライヤーは2022年10月下旬、同社初の北九州:福島でチャーター便を運航する。秋の紅葉シーズンに合わせての運航で、エイチ・アイ・エス(HIS)による旅行商品も販売されている。
また、北海道を拠点とするAIRDO(エア・ドゥ)や、九州・沖縄が拠点のソラシドエアも日本国内や国際線でのチャーター便を運航した実績を持つ。JALやANAは定期便が多いためにあまり目立たないものの、旅行会社と企画したチャーター便などを随時運航する。特にANAは、ハワイ線の超大型機A380「フライングホヌ」での日本国内遊覧飛行フライトを実施し、とても人気を集めたことが記憶に新しい。
団体ツアー最適な座席数、滑走路の長さも

それでもやはりFDAによるチャーター便の数は、他社の群を抜く。その理由は、FDAが所有する「機材」だ。FDAが所有するのは、エンブラエル170/175という小型ジェット機。1機あたりの座席数が76席/84席だ。観光バスだと2台分。この数が、団体の旅行ツアーにとってまさにちょうどいい。JALグループのジェイエアもエンブラエル170/190を所有し、国内線で運航する。
また、航空機にはそれぞれ「離陸必要滑走距離」「着陸必要滑走距離」がある。離陸のほうが長い距離が必要で、これを満たさない空港にその航空機は発着できない。エンブラエル170の場合、離陸必要滑走距離はカタログ値で1670mとなっている。
空港の滑走路の長さは、例えば、隠岐2000m、種子島は2000m、稚内は2200m、対馬は1900m、奄美2000mなど。多くの地方空港は2000m前後で、それであれば問題ないが、1200mなどだとある意味で対象外となる。札幌(丘珠)は1500mだが、FDAがほぼ満席の乗客を乗せて事前に実証実験を行い、離着陸が可能であるとの結果を2014年(平成26年)3月に公表している。