「給料安いし、人手も足りなさ過ぎ」 崖っぷち運送業界を包囲する「七つの困難」とその解決策

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人手不足からDXまで多くの課題を抱えている運送業界。その解決に向けて、現在注目されているのがM&Aだ。いったいなぜ注目されているのか。

M&Aで譲り受け側に支配されないか

荷物を積み込み待ちのトラック(画像:写真AC)
荷物を積み込み待ちのトラック(画像:写真AC)

 これまで取り上げた運送業界の課題は、M&Aにより解決できるかもしれない。なぜなら、M&Aで相手方のグループの一員になることで、

・グループでの採用活動による人材の確保
・配送エリアや案件の共有による配送効率の改善
・資金サポートによる財務基盤の強化

などが期待できるからだ。

 さらに、上述の課題解決の実現は、労働環境の改善や福利厚生の好転にもつながり、従業員にとっても大きなメリットをもたらす。

 仮に企業譲渡側の立場だった場合、M&A後、

「譲り受け側に支配されるのではないか」

という不安があるかもしれない。ところが、譲り受け側も現状の課題を解決させるためのM&Aであるため、M&A成立後はお互いに会社を成長させていこうという姿勢の会社がほとんどで、社名はそのまま継続されたり、引き続き経営に携わったりするケースも多い。

 M&Aに向けて動き出してから実現するまで、数か月~1年ほどの期間を要する。将来的にM&Aを実施する可能性があれば、早い段階から準備を始めることが重要だ。

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