運転免許のある若者、650万人も減少! 未来の「物流人材」に大ダメージ、もはや普通免許を無償化すべきか

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10~20代の若者の運転免許保有者数が激減している。これはいずれ、物流に悪影響を与えるのではないか。

物流ドライバーが足りなくなる?

『スーパーカブ』(画像:KADOKAWA)
『スーパーカブ』(画像:KADOKAWA)

 かつて、運転免許は18歳になったら取っておくものだった。筆者の高校時代も、就職や進学(主に推薦)が決まった段階ですぐに免許を取りに行っていた。それでなくとも成人式を迎えるまでには運転免許を取った。

 当時は都会だの、田舎だの関係なく、運転免許証は

「大人になったら取るもの」

という社会的なコンセンサス(合意)があった。マイカーは当たり前だったし、若い男性の趣味の代名詞は車だった。いまの50代なら、若者に「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」の『三ない運動』をものともせず、学校に内緒で原付の免許を取りに行ったり、2ストのバイクで走り回ったりもしただろう。

 それがいまでは10代、20代人口の67%、10代に限れば18%しか免許を保有していない。16歳の免許保有者など日本全国で約1万6000人、多くは原付や実業高校なら小型特殊免許だろうが、17歳女子の免許保有者数に至っては日本全体で9846人しかいない。アニメ化もされた人気作品『スーパーカブ』の女の子たちはそうとうなレアキャラだ。ともあれ、バイクブームの80年代を知る人たちにとっては隔世の感だろう。これまたバイクメーカーはおじさんライダー、リターンライダー向けばかり作るわけだ。

 この衝撃的な数字の恐ろしいところは、いずれ

「日本の大動脈、物流に直結する」

であろうことにある。

 これほどにしか若者の免許保有者がいないとなると、トラック運転手を始めとする物流ドライバーは将来的に致命的な人手不足に陥るだろう。特に大型トラックの運転手の平均年齢は49.4歳、タクシー運転手に至っては平均年齢59.5歳(ともに厚生労働省、2019年)と、あまり時間がない。ましてや、いまの若者は仮に普通自動車の免許を取得しても2017年からの新免許制度上、いわゆる2t車(最大積載量・車種にもよる)すら乗ることができない。いまさらだが、ここまで厳しく免許区分を分ける必要があったか筆者は疑問だ。

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