2017年以来6年ぶり! 東武鉄道「日光線特急」が南栗橋駅に停車することになったワケ

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2023年3月のダイヤ改正から、日光線特急列車が南栗橋に停車する。特急停車は2017年以来。その背景には、通勤・通学時間帯における着席サービス向上がある。

南栗橋に停車する列車を増やせるか

南栗橋駅(画像:(C)Google)
南栗橋駅(画像:(C)Google)

 今回の南栗橋停車で気になる点をふたつあげておきたい。

 ひとつ目は上り列車の乗車口限定の可能性があること。春日部、東武動物公園、久喜などでは、なぜか乗車口が限定され、6両編成列車は2・5号車、3両編成列車は2号車でしか乗降できない。これに手間取ると、後続列車が停止信号で止まり、遅れが生じる。

 なお、下り列車の杉戸高野台はすべての車両の乗降用ドアが開閉する。ここから乗ってくる乗客がほとんどいないので、事実上の降車専用と化しており、下りの南栗橋でも同様になるだろう。

 ふたつ目は夕方時間帯の下り6本、朝方時間帯の上り3本以外は通過すること。先述したとおり、通勤・通学輸送の利便性や快適性の向上を重視したものであるが、将来は午前の下り列車、午後の上り列車にも広げ、日光線沿線から日光・鬼怒川方面への利便性向上に期待したい。

 現状、南栗橋から日光・鬼怒川方面へ向かう場合、各駅停車に乗り、栃木で日光線特急に乗り換えたいところだが、列車によっては途中駅で通過待ちにあい、延々乗り続けなければならない(列車によっては新栃木で乗り換え)。加えて車内にトイレもなく、南栗橋から約2時間の道中は過酷といえる。

 また、上り午後も停車することで、始発の急行に乗り換え、東武動物公園で伊勢崎線久喜方面へ容易に乗り換えられるようにするなど、さらなる利便性向上にもつながってゆく。日光線特急の南栗橋停車は、あらゆる可能性を秘めているのである。