2017年以来6年ぶり! 東武鉄道「日光線特急」が南栗橋駅に停車することになったワケ
特急の南栗橋停車は6年ぶり
前置きが長くなったが、2023年3月のダイヤ改正から、夕方時間帯の下り6本、朝方時間帯の上り3本の日光線特急列車が南栗橋に停車する。
ここは埼玉県久喜市に所在し、駅周辺はのどかな住宅地に加え、南栗橋車両管区という車両基地や工場施設などがある。現在、急行や各駅停車などの一般列車はすべて始発列車のみ発車するので、着席通勤や通学が容易にできる。
意外と思われるかもしれないが、南栗橋の特急停車は2017年以来6年ぶり。かつて、2006(平成18)年から11年にわたり、平日に運転されていた浅草~南栗橋間の特急「きりふり283号」(晩年は285号)の終着駅として、停車した実績がある。当時、浅草を21時30分に発車するホームライナー的な存在の列車で、春日部~南栗橋間は特急料金不要という措置を取っていた。
6年ぶりに日光線特急が南栗橋に停車することになったのは、通勤・通学時間帯における着席サービス向上。産官学連携による次世代のまちづくりプロジェクト「BRIDGE LIFE Platform構想」に基づく、当該エリアのさらなる魅力と利便性の向上があげられる。
南栗橋から先の利便性向上に期待
南栗橋の日光線特急停車で期待されるのは、さらなる利便性の向上だ。
現在、浅草17時59分発以降の日光線特急下り6本は、南栗橋からふたつ手前の杉戸高野台に停車する。ここでは1本を除き、向かいのホームに急行南栗橋行きが停車しており、乗り換えができる。しかし、栗橋や藤岡方面へ向かうには、終点南栗橋で始発の各駅停車にまた乗り換えなければならない。杉戸高野台、南栗橋とも同一ホーム乗り換えとはいえ、“御足労”となってしまう。
日光線特急が南栗橋に再び停車することで、始発の各駅停車に直接乗り換えられるほか、着席通勤が持続できる。勤務先から自宅最寄り駅までの所要時間が同じでも、疲労が若干軽減されるのではないか。
朝方時間帯の上り列車は、浅草7・8時台着の列車になるものと思われる。理想的なダイヤは栃木方面からの各駅停車が終点南栗橋到着後、程なく日光線特急が続くことだろう。
特急料金は浅草~久喜・杉戸高野台間と同じ520円に設定するものと考えられる。また、久喜市では、市外からの移住者を対象とした特急券の購入補助制度の創設に向け、検討に着手しているという。実現するには、日光線特急の浅草~南栗橋間だけではなく、伊勢崎線特急の浅草~久喜間、「THライナー」の座席指定券にも適用してほしいところだ。