EVアンチの常套句「長距離運転に向かない」は本当? 実際に走ってみたら、給油より充電のが楽だった

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EV批判で最も多く言われるものに「ロングドライブに向かない」がある。しかしそれは本当か。検証する。

EVは正しく使えば充電時間はゼロになる

商業施設の普通充電器で充電するEV(画像:八重さくら)
商業施設の普通充電器で充電するEV(画像:八重さくら)

 さて、この東京~大阪の旅では車両の航続距離である400kmを超える500kmを走行したが、充電のため「だけ」の時間はゼロだった。今回の旅では内燃機関より不便を感じる点はひとつもなく、騒音や振動が少なく疲れにくい上に走行性能に不満もない。今回の例では500kmの走行だったが、もちろん東京~四国や九州など1000kmを超える旅でも同様で、多くのEVオーナーが充電時間ゼロで運用できている。

 それでは、EVの充電時間をゼロにするにはどうすればよいのか。単刀直入に答えれば

「駐車中の充電」

を徹底することが肝となる。

 最も重要なのは自宅や目的地での「基礎充電」であり、普通充電器や200Vコンセントがあれば困ることはほぼない。ほとんどの家庭では分電盤(ブレーカー)まで200Vで配線されており、戸建てであれば数万円程度で200Vコンセントを増設できる。集合住宅では管理組合の承認が必要となるが、交渉を代行してくれる業者や初期費用無料で設置してくれる業者もあるため、うまく活用したい。

 自宅での充電ができれば必ず満充電で家を出ることができ、目的地までの往復が航続距離である400~500km(片道200~250km)の範囲内であれば、充電時間がゼロになる。一方で往復が400~500kmを超える場合は、目的地での充電を併用することになる。もちろん全ての目的地に充電器が付いているとは限らないが、遠出するときはホテルなどの宿泊施設を使うことが一般的であり、充電器が付いている施設を選ぶことができる。筆者の経験上、有名な観光地や都市圏であれば、充電器が付いている施設が見つからない方が珍しい。

 ところで片道400~500kmといえば東京から名古屋や大阪、金沢、新潟、仙台、山形など、多くの大都市までたどり着ける距離だ。次の章ではさらに長距離を走る場合の充電を解説するが、まずは

「片道400~500kmを超えるような遠出が年に何回あるのか」

を思い出してから読み進めてほしい。

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