郊外だけじゃない! 近年増加の都市型「道の駅」とは何か
設置当初と比べて目的が拡大

そもそも、道の駅は1993(平成5)年から正式な開発がスタートしたスキームで、高速道路におけるSA・PAのように、一般道路にもドライバーのために24時間・無料で利用できるトイレや休憩施設などの利便施設が必要として、開発が推進された。
市町村などの自治体が申請して国土交通省が
・休憩施設
・情報発信機能
・地域連携機能
の設置といった要件を満たしているものを認可、自治体が施設を設置して第三セクターや指定管理者などが運営するスキームになっている。
そのため、地方で近隣に大きな観光地のないエリアなど、民間開発の手が及びにくい立地にも開発され、さまざまなエリアでの地域振興や農業振興に大きな貢献をしてきたと言える。
住宅地が近く、周辺に商業施設もある場所に立地することは、当初のドライバーの利便性という目的からはずれている感もある。また、商業施設も比較的見られる立地で民間事業者と競合するのならば、官設民営型である道の駅の方が有利に働く可能性もある。
しかし、開発がはじまってから約30年が経過している道の駅はすでに当初からは目的が拡大して、
「地域の拠点施設」
としての役割が増している。今後、都市近隣に開発が及ぶのではあれば、このあたりをどのように精査していくのか注目したい。
都市近郊でも、地域によっては民間開発が停滞している。そのような立地では改めて道の駅のスキームによる開発で、近隣都市からの集客も含めた地域活性化の効果が期待される。
道の駅は地域の新鮮で安心できる農作物やそれに由来した商品を購入できるというイメージが強く、もはや
「農業系商業施設の一大ブランド」
と化していると言えるだろう。このブランド力を生かして、今後どのような施設開発が見られるか期待したい。興味のある人は都市型道の駅に足を運んでみてはいかがだろうか。