「開かずの踏切」廃止だけじゃない! 竹ノ塚駅の「高架化」が地元で大きな期待を背負う理由とは

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3月、東武鉄道竹ノ塚駅の高架化工事が完了し、開かずの踏切が廃止された。今後、竹ノ塚駅エリアはどうのように発展していくのだろうか。

足立区に大学が立地していなかったワケ

東京芸術大学 千住キャンパス(画像:(C)Google)
東京芸術大学 千住キャンパス(画像:(C)Google)

 治安改善の取り組みは、それだけに終始しない。足立区は治安の改善と同時に教育の充実にも力を入れてきた。その一環として、足立区は大学の誘致を長年にわたって取り組んでいる。それまでの足立区内には放送大学が学習センターを開設していたが、これはサテライトキャンパスという位置付けにすぎなかった。

 足立区に大学が立地していない理由は、高度経済成長期の入り口にあたる1959(昭和34)年に制定された工場等制限法によるところが大きい。同法は、その名称からもうかがえるように主な対象は工場となっているが、大学も対象とされた。そうした事情から、大学と高等専門学校は1500平方メートル以上、専修学校と各種学校は800平方メートル以上の教室を設置できず、大学が足立区にキャンパスを構えることはなかった。同法は2002(平成14)年に廃止され、風向きが変わった。

 そこから足立区の誘致活動は活発化し、2006年に東京芸術大学が千住キャンパスを開設。東京芸術大学を皮切りに、翌年には東京未来大学、2010年には帝京科学大学千住キャンパス、2012年には東京電機大学東京千住キャンパスといった具合に大学のキャンパスが次々と開設されていった。

 大学のキャンパスが次々と誘致された結果、足立区内には多くの大学生が居住するようになるといった変化が起こった。さらに駅周辺の繁華街にも学生が闊歩(かっぽ)するようになり、地域活性化を促す効果をもたらす。

 当初、それらの効果は足立区の中心的な街となっている北千住駅かいわいに限定した現象と受け止められてきた。そのような変化は、歳月とともに足立区全域にも表れるようになっている。

 そして、大学誘致により足立区全体が文教都市のイメージを少しずつ得るようになり、それが区内の小中高校生の学力向上にも寄与していく。さらに、子育てに熱心なニューファミリー世帯が移住するという現象も起きている。

 こうして足立区は文教都市のイメージを少しずつ固めていくわけだが、これを北千住限定の現象にとどめるのではなく、区全域にも広げていくことが行政の課題でもあった。