飛行機の「ペット同伴」 アリ?ナシ? 海外では一般的も、国内でなかなか進まぬワケ

キーワード :
, , ,
ぺットの飛行機持ち込みが話題になっている。そもそも持ち込めるメリットとは何か。

日本と欧米でのペット文化の違い、双方にとってメリットも

ペットとの旅行のイメージ(画像:写真AC)
ペットとの旅行のイメージ(画像:写真AC)

 日本の航空会社では通常、ペットはあくまで「貨物」として預ける。ANA、JAL、スカイマークなどの航空会社にそれぞれサービスがある。なお、格安航空会社(LCC)では、補助犬以外は対応していない。

 JALの「ペットとおでかけサービス」によると、料金はペットクレート(輸送容器)1個1区間あたり4400~6600円。非常に長い注意書きが載っており、「死亡事例」も掲載されている。

「ペットの死傷について一切責任を問いません」

といった書面の提出も求められる。これらは他社もほぼ同じルールだ。

 飼い主にとって、大事なペットにもし何かあったらと考えると、機内に持ち込み、そばで見ておくのが安心だ。しかし、不特定多数の人々が同乗する機内は決して広くない。中には、動物のアレルギーを持つ人、動物が苦手な人がいる可能性もある。トラブルはクレームになりかねず、航空会社にとってペット同伴はリスクが大きい。

 筆者は以前、伊丹空港で手荷物受取を待っていた際、激しい鳴き声とともに大きなケージを今にも壊しそうな勢いで、中で暴れる大型犬が数匹運ばれているところに遭遇した。あまりの事態にその場は騒然となった。羽田発伊丹行きという1時間足らずの飛行時間でも、犬にとって飼い主と離れた慣れない環境は、相当のストレスだったのだろう。航空会社のスタッフも、ケージを運ぶだけで大変そうだった。

 もし空席が多い便でその座席をペット用に販売できるなら、航空会社にとって貴重な売り上げとなる。いくら割高でも、機内にペットを持ち込みたい乗客は多い。

 JALのようにチャーター便でツアーとして売り出すのも、飼い主と事業者の双方にメリットがある。家族の一員であるペットと一緒に遠方へ旅ができ、その旅の思い出はかけがえのないものになるだろう。特に、スターフライヤーが日本国内線で始めた取り組みは、他の航空会社にも今後広がるか注目したい。

全てのコメントを見る