世知辛すぎるヨーロッパのトラック「取り締まり事情」 ベルギーの平均罰金額はなんと26万円だった!

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意外と知られていない、ヨーロッパにおけるトラックの取り締まり事情。日本より厳しいのか。

日本では罰金だけでは済まされない場合も

事業者の行政処分情報検索画面(画像:国土交通省)
事業者の行政処分情報検索画面(画像:国土交通省)

 日本においては、トラックドライバーが交通違反を犯した場合、違反点数や罰金などの行政処分(青キップ)や刑事処分(赤キップ)を受けるとともに、貨物自動車運送事業者も行政処分等を受ける。もちろん、交通違反だけでなく、国土交通省(各地方運輸局および各運輸支局)による監査において、法令違反が認められた場合にも、同様に行政処分等を受けることとなる。

 行政処分は、軽微なものから順に次のとおりとなっている。なお、文書による勧告・警告は行政処分に至らない場合に行われる。

・自動車その他の輸送施設の使用停止(自動車等の使用停止)
・事業の全部または一部の停止(事業停止)
・事業許可の取り消し

 これらの行政処分は、自動車運送事業者の法令違反に対する点数制度により処分の基準が明確にされている。この点数制度は、自動車事業者の適正化を図るために設けられた制度であり、貨物自動車運送事業者だけでなく、バスやタクシーなどの旅客自動車運送事業者も含まれている。

 なお、行政処分等を受けた自動車事業者については、事業者名、処分内容、処分に至った法令違反などの情報が、「行政処分情報(ネガティブ情報の公開)」として、国土交通省ウェブサイト上で一般に公開されている。

 トラックに対する取り締まりや行政処分等ルールは、国や地域により異なるものの、一度事故が起こると大惨事につながる可能性があることから、他の自動車に比べて厳しめに行われている。とはいえ、トラックによる交通事故は取り締まりや処分だけでなくなるものではない。荷主による過度な賃下げ圧力やコスト追求の経営の排除など、運行にかかわらない部分の改善も着実に行われ、より安全にトラックが運行されるように願うばかりだ。