タクシードライバー月収「2割減」の衝撃 コロナ対応などで事業者崖っぷち、もはや運賃改定待ったなしだ!

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東京都内(23区・武蔵野市・三鷹市)のタクシーの運賃が改定される。実施は、早ければ10月下旬。業界は今後どうなるのか。

都内のタクシー料金の値上げは15年ぶり

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 決定打となったのが、2022年2月に始まったロシア・ウクライナ戦争だ。タクシーの燃料に使われるLPガス(液化石油ガス)はコロナ禍で上昇を続けていたが、戦争が始まったことでロシア産原油の供給減少が懸念され、価格が急騰した。

 これを受けて政府は3月4日、事業者への支援策として、石油元売り会社に支給する補助金の上限額を、1Lあたり5円から25円に引き上げることを決定。LPガスを利用するタクシー事業者にも1Lあたり最大25円の補助が決まった。しかし、コロナ対策・燃料価格高騰という2重のコストは吸収できなかった。

 タクシー料金の値上げは消費者基本法により、車両数で7割を超える事業者から要請があった場合、国土交通省が手続きを始める仕組みになっている(3か月以内)。今回は、2021年12月24日から2022年3月23日までに、9割を超える事業者から要請があったことで値上げの検討が始められた。その圧倒的な要請数からも、事業者の悲惨な状況が見て取れる。

 値上げ幅は

「14%」

とされており、初乗り運賃で1052m「390~420円」から1096m「470~500円」になる見込みだ。値上げ分14%のうち、8%が乗務員の賃上げ分で、キャッシュレス化などへの投資と燃料費高騰への対応が3%ずつとなっている。

 コロナ禍で収入が大幅に減っている乗務員への対応が最優先だが、気になるのは今回の値上げで燃料費高騰分が確保できるかという点だ。各国の燃料争奪が続く中、価格は乱高下を繰り返しており、安定していない。

 都内のタクシー料金の値上げは15年ぶり。燃料費高騰を理由に再びの値上げが起きないか。まずは、燃料の安定供給が求められる。

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