タクシードライバー月収「2割減」の衝撃 コロナ対応などで事業者崖っぷち、もはや運賃改定待ったなしだ!

キーワード :
, ,
東京都内(23区・武蔵野市・三鷹市)のタクシーの運賃が改定される。実施は、早ければ10月下旬。業界は今後どうなるのか。

事業者へ重くのしかかる設備導入費

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 全国ハイヤー・タクシー連合会による調査「決済用端末機導入状況(2021年3月31日時点)」によれば、全国でいずれかのキャッシュレス決済に対応している車両は13万4637台。対して非対応は1万6047台となっている。つまり、日本全体で89.4%の車両が対応しているわけだ。

 最も対応率の高い東京都では99.1%、最も低い佐賀県でも59.9%。むしろQRコードもダメ、交通系ICカードもダメ、クレジットカードもダメで現金のみ……そんなタクシーに乗ってしまうほうはレアケースである。これによって、現金の授受による感染リスクも減少し、乗客の利便性も増した。とはいえ、決済に対応するための設備導入費は事業者への重い負担となっている。

 さらに、直接的なコロナ対策費用も増えた。同連合会の「タクシーにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」では、ドライバーに対する健康観察アプリなどを使った日常的な健康状態の把握に加えて、抗原簡易キットを準備し、体調不良や発熱のある従業員に対して速やかな検査の実施を求めている。

 車両設備に関しても飛沫(ひまつ)感染防止のためのアクリル版などの設置に加えて

「空気清浄機等を活用している場合は、車内空気の清浄度等を表示する等により、乗客が安心して利用することができるように配慮する」

とある。

 実際多くのタクシーで、車内の空気の清浄度が表示されるシステムも常備されるようになった。当然、これも事業者の負担だ。こうしたタクシー業界の感染対策への努力を見ると、むしろこれまで値上げに踏み切らなかったことのほうが驚きだ。

全てのコメントを見る