なぜ中古車はコロナ・戦争で「品薄」になったのか? 1から学ぶ「物流グローバル化」の正体

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新型コロナ禍での世界的なロックダウンや、ロシアによるウクライナ侵攻などによって、新車の納期遅れが発生。それにより中古車市場の品薄状態が続いている。この相関関係が意味する「物流のグローバル化」について、今一度考えたい。

人・サービスが場所にひも付かなくなる

テレワークで働くビジネスパーソンのイメージ(画像:canva)
テレワークで働くビジネスパーソンのイメージ(画像:canva)

 このようにコストカットに有効な地球的規模のアウトソーシングだが、一部で揺り戻しの動きも起こっている。

 関係者の多さや、発注から納品までのリードタイムの長さ、単一業者へ依存するリスクなどグローバル企業はサプライチェーン全体の持続性への対応を迫られている。

 対応にはコストを伴うため、もはやグローバル・バリューチェーンの恩恵はそれほどでもないという認識が広がるようになった。2022年7月に米上院で可決された半導体法案は、そうした動きのひとつだろう。

 しかし、全体の方向感としてグローバル化が弱まることはないと見られている。

 すでに貿易は生産地で起こるという従来の考え方は崩れている。輸出品の中には、さまざまな国から調達した部品や発明が含まれており、もはや輸出がその国の経済状況を反映しているとは言いがたい。

 似たような状況はサービスにも起こっている。国内ではリモートワークがよい例だろう。

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