中国の「EV支配」はまだまだ遠い 現地メーカーでエンジン開発に携わった識者が語る、中国の「2つの弱点」

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中国EV大手BYDは7月21日、日本の乗用車市場への参入を発表した。今後、中国が世界のEV市場を主導する日は来るのだろうか。

EV用車載バッテリー「世界シェア4位」

電動者の価格と電動走行距離(画像:大庭徹)
電動者の価格と電動走行距離(画像:大庭徹)

 航続距離と「推定」価格について、図に示した。BYDはテスラ「モデル3」に対し、距離を抑えて低価格を狙っているようだ。

 BYDは1995年に電池事業で創業し、中国ではEVも販売している。2021年のEV用車載バッテリーの世界シェアは、寧徳時代新能源科技(CATL、中国のEV用電池大手)、LGエナジーソリューション、パナソニックに次ぐ4位(6.9%)。EV世界シェアは上海汽車集団(SAIC)、テスラに次ぐ3位(8.5%)だ。

 また、トヨタとEV用車載バッテリーの納入契約を締結している。昨今の車載バッテリーは売り手市場とはいえ、品質に厳しいトヨタに納入するためには相応の開発・製造能力が求められる。

 BEVは発展途上の技術で、再生可能電力、充電インフラ、バッテリー熱暴走、リユース/リサイクル、再販価格など、課題は多いが、多くの消費者は

・車両価格(公的な優遇策も含む)
・航続距離
・充電器数と充電時間
・車両の魅力(デザイン、初期品質、CASE等)

を購入の判断材料としている。充電インフラの利便性は切実な課題だ。昨今の中国車は耐久品質にまだ改善の余地があるが、安いだけではなく、車の魅力が飛躍的に向上している。

 今後のBEV市場成長の鍵は、車載バッテリーとその充電インフラが握っている。そこで本稿では、EVの増加と充電インフラの状況を踏まえて、次世代車載バッテリーと交換システムの動向を検証する。