「海のJRになりたい」 秋葉原の元パソコン少年が水上モビリティのスタートアップを立ち上げたワケ

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モビリティ分野のスタートアップ企業トップにインタビューするシリーズ企画。第2回目は、水上モビリティをロボティクスとAIで自律化することを目指す「エイトノット」の木村裕人代表取締役。

離島出身者の熱い思いが会社を動かす

大崎上島(広島商船高専桟橋)(画像:エイトノット)
大崎上島(広島商船高専桟橋)(画像:エイトノット)

 CTOの横山は、実証実験を行っている大崎上島にある広島商船高等専門学校を卒業している。彼のなかには、瀬戸内の離島の不便さを解消したいという気持ちが常にあった。一方で、近年の瀬戸内は、瀬戸内国際芸術祭のような、事業化する際に役立ちそうなコンテンツも豊富となっている。おだやかな瀬戸内海は、実証実験の場としても都合がよかった。

 離島の暮らしにはあこがれを抱く人もいるかもしれないが、毎日のこととなると大変だ。しかし、離島の暮らしを維持していくために、住民が利用しやすい自律航行船を実現するのだという願いがエイトノットの基礎となっている。

「もっと手軽に海にアクセスできれば」というのがエイトノットの事業の目的でもある。「創業間もないなか、可能性にかけてくださったのはありがたかったですね」と木村は振り返る。実証実験が始まり、離島を訪れ住民の声をヒアリングしていくなかで、困りごとがたくさん見え、理想的な水上モビリティの輪郭もはっきりしてきた。

 とはいえ、まだエイトノットは始まったばかりの企業であり、「これからやらなければならないことが山ほどあります」と木村は言う。

 創業半年で自律航行を可能にしたことに手ごたえや反響があった。それでもそこで満足はしない。最終的に目指すのはそれを汎用(はんよう)的な技術にしていくことだ。自前の船はまだ2隻しかないが、開発する技術を多くの船が利用できる仕組み作りができればと考えている。

「自律航行船が当たり前になり、船どうしがコミュニケーションできる世界が来るとよいですね」(木村)

水上モビリティでシームレスな移動を

実証実験の風景(画像:エイトノット)
実証実験の風景(画像:エイトノット)

 自動運転自動車やドローンが取り上げられがちないま、水上モビリティは決して注目されているマーケットではないと木村は自覚している。そのため、ほかのモビリティとの接続も考えていると言う。

「例えば『船で来た人が電車やバス・自動車、キックボードなどのマイクロモビリティを借りて陸で遊び、船で帰る』という水上を含めてシームレスな動きができるようになれば、事業面でも可能性が広がると思っています。都会ではエリア周遊チケットやタッチポイントの開発が可能です。また、離島で島内交通をマイクロモビリティなどで手軽にすれば、『バス待ちなどに時間をとられて島の見どころの1か所にしか行けなかった』などということがなくなり、その島をもっと楽しんでもらう、もっと知ってもらう入り口になると考えています」(木村)

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