7月噴火で実現加速か? 桜島と鹿児島市街地を結ぶ「桜島大橋」構想をご存じか
かねてより、鹿児島市街地と桜島間を架橋する構想がある。その構想は、桜島の活発な活動によって具体化するかもしれない。いったいなぜか。
県内で温度差がある計画
ただ、この建設計画には県内でも温度差がある。
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大隅半島側では2013年に4市5町の議会議員でつくる「大隅地域市町議会議員協議会」が設立され、錦江湾横断道路の実現を掲げている。一方、鹿児島市側では、2021年にようやく市民有志による「桜島大橋推進協議会」が立ち上がった程度だ。
2021年には、鹿児島県が20~30年後を見据えて作成した新広域道路交通計画案では錦江湾横断道路も「構想路線」として加えられたが、あくまで現時点では構想のままだ。
この計画を後押しするのは、むしろ桜島の活動の活発化だ。というのも、2015年8月に桜島の噴火警戒レベルが4に引き上げられた際、当時の伊藤祐一郎県知事が
「海上が封鎖され、道路が使えないときを考えると有効」
と海底トンネル構想に言及し、注目を集めた。つまり、今回の噴火警戒レベル5への引き上げは、計画を進める要因になるかもしれないのだ。
一方、経済効果はマイナスになる恐れも。マイナスになるのは、建設を求めている大隅半島側だ。前述の調査によると、鹿児島~桜島ルートを建設した場合、救急患者の救命率は25%程度向上し、2.8億円の観光経済の効果がある。ただ、地元で買い物する比率が鹿屋市で2%、垂水市で9%減少するとしている。このことは、今後も念入りな調査が必要だろう。