お店よりかなり安い? 中古車「業者オークション」は一般人も参加可能なのか
中古車市場の流通に置いて、大きな役割を果たしている「業者オークション」。一般ユーザーになじみの薄い世界だが、その実態とは――?
買い取り業者やディーラーが対象

中古車が市場に流通するに当たっては下取り車、買取り車、金融流れ車など、いくつかのルートがある。そうした中で昨今大きな役割を果たしているものとして、いわゆる業者オークションが挙げられる。
これは中古車買取り業者、販売業者、ディーラーなどを対象としたオークションで、たとえば、
・自社で下取りや買取りをしたものの、すぐには買い手が見つからなかったクルマを在庫として持ちたくない
・顧客からオーダーがあった車種やグレードなどが手持ちの在庫車の中になく、早急に仕入れたい
・在庫車が増え過ぎて整理したい、在庫車を速やかに現金化したい
といった要望に応える、プロのためのオークションシステムとなっている。
現在日本には最大手とされるUSSオークションのほか、トヨタが運営するTAAオークションなどいくつかの業者オークションがある。
オークション会場でのテレビ入札のほかインターネットオークションを通じて毎日大量の中古車が出品者から購入者のもとへ送り出されている。ここを経由したクルマが町の中古車ショップに並ぶことももはや珍しいことではない。
さて、筆者(矢吹明紀、フリーランスモータージャーナリスト)は過去にUSSオークションの現場を取材したことがある。そこでは、1台のオークションに要する時間はおおむね数分。ほぼ流れ作業で迅速に落札されていく様は驚異的でもあった。