日暮里・舎人ライナー「輸送人員倍増」も 都が大規模予算を割けない複雑事情

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日暮里駅と見沼代親水公園駅を結ぶ日暮里・舎人ライナーの輸送人員が倍増している。混雑は激化したものの、東京都交通局は大規模な予算を割いていない。なぜか。

共通乗車券の導入視野に

都営バス「里48」の運行ルート図(画像:東京都交通局)
都営バス「里48」の運行ルート図(画像:東京都交通局)

 こうしたなか、東京都交通局は新型車両への切り替えを始める。日暮里・舎人ライナーは一編成5両で運行され、既存車両は定員が245人。混雑緩和を図る目的から、新型車両は一編成5両で定員は262人となった。

 単純計算ながら、新型車両へと切り替えることで列車1本あたり17人ほど多く乗車できる。新型車両への切り替えは以前から以前から発表されていた。まず、一編成が6月25日から運行を開始。そして、12編成すべてを2024年度までに新型へと切り替える。これだけで日暮里・舎人ライナーの混雑緩和が解消されるわけではないだろう。

 足立区は、並行するバス路線・里48の増便や、日暮里・舎人ライナーと里48のどちらも利用できる共通乗車券の導入などを提案している。これらが導入されることで、さらに混雑は緩和していくだろう。

 東京都交通局は使いやすい公共交通を実現するため、小さな取り組みを積み重ね、それらによって混雑緩和を図ろうとしている。