あなたの知らない宅配業界! 迅速サービスの裏にあった、配達ドライバーの「知られざるテクニック」とは
フリマアプリなどの普及で、年々増加する宅配便。その裏側についてリポートする。
天井知らずの宅配便の増加

私たちはスマートフォンをタップして、いつも当たり前のように宅配便の荷物を受け取っている。このような荷物は一体どのように運ばれてくるのか、車の荷台にあふれる荷物はいったいどうやって配られているのか――あなたは考えたことがあるだろうか。
あまり気にすることでもないが、宅配便は今や生活に欠かせない。今回は、配達ドライバーとしてかつて働いていた筆者(二階堂運人、物流ライター)がその仕組みを紹介する。
仕組みの前に、まず現状を見てみよう。
国土交通省発表の2020年度の宅配便取り扱い個数は、
「48億3647万個」
となっている。そのうち、トラック運送は47億8494万個、航空等利用運送は5153万個だ。前年度より5億1298万個(11.9%増)増えている。
背景には、コロナ禍の巣ごもり需要によるインターネット通販の増加がある。宅配便が外出を控える社会生活を支えていたのだ。
当然、既存の配達ドライバーだけでは対応しきれなくなった。しかし、新たなビジネスチャンスを求めて飛び込んだ人たち、いわゆる「軽貨物個人事業主」「ギグワーカー」がそれをフォローするかたちとなった。
また、宅配便のコロナ特需はコロナ禍で職を失った人たちの受け皿になったこともあり、届ける側も受け取る側も、その重要性がより増した。