自動運転の大敵、実は「暑さ」だった?

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2022年6月に開催された競技会「自動運転AIチャレンジ」。学生をはじめとする若手精鋭たちが勝負に挑んだものの、思わぬ悪条件に阻まれるチームが相次いだ。

暑さとの戦い、AI自動運転

競技用の車体に取り付けられたLiDAR(画像:渡辺たかとし)
競技用の車体に取り付けられたLiDAR(画像:渡辺たかとし)

 200以上のチームから勝ち残った強豪たちにとっても、暑さという障壁は大きかったようだ。

 暑さによるコンピュータの不調もあり、演算処理が間に合わなかったり、演算処理を簡略化して発熱量を抑えたものの動きが大ざっぱになってしまったりしたようだ。

 具体的には、自車位置を見失いコースアウトした後、運転手の補助が必要になったり、プログラム処理が停止してしまい、運転手の操作が必要になったりする場面があった。

 このことを、会場の解説ではオーバーライドと呼んでいた。

 練習走行では無難にこなせていたチームが、本番では熱による不具合で苦戦を強いられていたと、審査員がつぶやいていたことが印象的だった。

 4回目の開催となった今回の競技会だが、実車走行での競技会は2度目となった。その間は、バーチャル空間のシミュレーションで審査が行われていたという。

 理論値と実車走行では外的要因が多く異なり、苦戦する部分もあったようだ。

 理論値と実車を融合させることをインテグレーションということが多いが、大会ではこのインテグレーションが重視されていた。

 その結果、競技会では完走できないチームが続出した。各チーム、プログラムの微調整や、遮熱シートや扇風機などパソコンを冷やすため、汗をぬぐう姿が印象的だった。

 そんな中、AコースもBコースもそつなく走行できたチームもあり、差を見せつける結果となった。

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