3時間の非日常! 愛媛と大分結ぶ「れいめい丸」の旅、船窓にはみかん畑、風車、工場夜景も

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6月23日に就航を開始した新造船「れいめい丸」。その内部はどのようになっているのか。

「うどんスタンド」はなし

れいめい丸2等室。こちらも木目調の内装が印象的。床部分は畳敷きだ。写真のエリアでは4区画にふたつずつ電源コンセントがあった(4区画の中央部)(画像:若杉優貴)
れいめい丸2等室。こちらも木目調の内装が印象的。床部分は畳敷きだ。写真のエリアでは4区画にふたつずつ電源コンセントがあった(4区画の中央部)(画像:若杉優貴)

 この2等室ではこれまでの船と比較して「座席」の割合が増やされたほか、充電需要に対応すべく電源コンセントの数も大幅に増やされた。多くの2等室では3~4区画ごとにふたつ、2等座席では窓側足元にフットライト(足元灯)とコンセントが設置されており(例外あり)、共用部においても複数箇所にコンセントが確認できた。

 なお、船内にはフリーWi-Fiも整備されているが、瀬戸内沿岸航路ということもあり乗船中に電波が途切れることは少ない。

 2階には売店やソフトドリンクとカップラーメン、アイスクリームの自動販売機コーナー、ゲームコーナー、ガチャガチャ、ドライバーズルーム、ベビールームなども設けられている。

 売店では弁当や飲み物、銘菓、八幡浜名物のじゃこ天、ガイドブックなどを販売。ソフトドリンクに関しては地上価格と変わらない。また、ガチャガチャには船内限定バッジなど記念グッズもあった。

 なお、あかつき丸で名物となっている「うどんスタンド」はれいめい丸とあけぼの丸には未設置。「船内で名物じゃこ天うどんが食べたい」という人はあかつき丸をオススメしたい。

1等室「ウィズペットルーム」にはドッグランも

れいめい丸1等室のウィズペットルーム。左側には部屋専用のドッグランが設けられている(画像:若杉優貴)
れいめい丸1等室のウィズペットルーム。左側には部屋専用のドッグランが設けられている(画像:若杉優貴)

 3階には2等室のほか、1等室、特等室が設けられている。3階も2階と同様に木材が多く使われた内装となったほか、1等室には窓付きの少定員部屋もあり、グループ旅行の際にも活用できそう。

 そして、船首部分に1室だけ設けられている特等室にはキングサイズの大型ベッドが設置されていた。

 中でも特筆すべきは、1等室のデッキ寄りに1室だけあるペットと一緒に過ごせる部屋「ウィズペットルーム」。これは乗船客の要望から設けられたものだといい、なんと部屋には専用のドッグランや洗い場まで設置されている。料金は通常の1等室と同じだ。

 3階からは後方デッキに出ることができる。梅雨時期であったものの、見学日は奇跡的に晴天。特徴的なファンネルの後ろには別府の街並みが一望できた。

 最上階の操舵(そうだ)室を見学したあとは下船となる。降船時には、愛媛県松山市と愛媛短大によって観光パンフレットとお土産のタオルが配られた。新造船の雰囲気に誘われて「四国に行きたい」と思った市民も多かったであろう。

真新しい船内で「風光明媚な西瀬戸の3時間」を

潮の流れが速く「速吸の瀬戸」とも呼ばれる好漁場・豊予海峡を行くあかつき丸。後方は佐田岬半島。乗船の際は景色も思う存分に楽しんでほしい(画像:若杉優貴)
潮の流れが速く「速吸の瀬戸」とも呼ばれる好漁場・豊予海峡を行くあかつき丸。後方は佐田岬半島。乗船の際は景色も思う存分に楽しんでほしい(画像:若杉優貴)

 八幡浜~別府航路はわずか約3時間弱の短い旅だが、その船窓からの景色は八幡浜の山に広がるみかん畑、佐田岬半島に並ぶ風車、大分の海にきらめく工場夜景、そして鶴見岳の麓に広がる別府の街並みと湯けむりなど、見ていて飽きることがない。

 これまでの船とは異なったレトロモダンな内外装に加えて「畳敷き船室」や「少人数個室」、「ウィズペットルーム」など、新たな魅力を備えた宇和島運輸フェリーのれいめい丸――。

 ぜひ、この夏の旅行に組み込んでみてはどうだろうか。

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