函館市電は延伸・拡大すべきか? 市内を覆うコロナ疲弊のベール、7月「レトロ観光列車」再開で考える

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観光客から人気の「箱館ハイカラ號」が7月9日から運行を再開した。函館市の観光業に力を取り戻せるか。

観光客に人気の「箱館ハイカラ號」

箱館ハイカラ號は、観光客から人気があり、乗ること自体が観光になっている(画像:小川裕夫)
箱館ハイカラ號は、観光客から人気があり、乗ること自体が観光になっている(画像:小川裕夫)

 北海道函館市企業局交通部は、市内に約10.9kmの路線網を有する路面電車を運行している。この路面電車は函館市電として親しまれ、市民の足を担っているほか、観光客からも人気が高い。7月9日から、函館市電のレトロ車両として観光客から高い人気を誇る、「箱館ハイカラ號(ごう)」が運行を再開した。

 函館市は、異国情緒があふれる街並みが人気のほか函館山から眺める夜景、五稜郭・湯の川温泉といった豊富な観光コンテンツを抱える。函館市電は市民の生活の足として機能している一方で、観光コンテンツになっている。路面電車に乗ることは市民にとって日常でも、来街者にとっては特別な体験になる。

 函館市は市電を観光の目玉とするため、1992(平成4)年の函館市市制施行70年を記念して古い車両をリニューアル。これによって箱館ハイカラ號が誕生した。

 同車両は明治・大正時代を思わせる外観で、観光都市・函館の新しい観光コンテンツとなった。箱館ハイカラ號は昔ながらの車体構造のために運転台が吹きさらしとなっており、降雪のない4月から10月までの季節限定運行とされた。

 箱館ハイカラ號は単に外観がレトロなだけではなく、きっぷ販売や沿線の観光案内、車内アナウンスなどを担当する乗務員も同乗する。そうしたサービスも観光客から好評を博していた。コロナ前まで、函館市を訪れる年間観光客は約340万人にものぼっていたが、コロナ禍により函館市の観光需要は激減。箱館ハイカラ號も運行を休止している。