交通系ICカードを超えるか? いま注目のクレカ「タッチ決済」、熊本市電の実証実験で考える
熊本市交通局の運営する熊本市電が現在、「オープンループ乗車」の実証実験を行っている。その結果は吉と出るか凶と出るか。
「オープンループ乗車」とは何か
交通系ICカードに代わる交通料金徴収の新たな手段として「オープンループ乗車」が話題となっている。オープンループとは、クレジットカードなどを使った交通サービスの乗車システムで、それに対して、Suicaなどの交通系ICカードを使った運賃徴収システムを、クローズドループという。
クレジットカードの決済といえば、専用の読み取り端末に挿入、暗証番号を押して決済するものが主流だが、最近では、端末にかざすだけの非接触のタッチ決済も普及している。これらの決済システムを使って電車・バスの運賃もクレジットカードで払えるようにする試みが広がっている。
クレジットカードを使った運賃支払いの実証実験は、日本各地でも始まっている。7月7日には、熊本市交通局の運営する熊本市電が、三井住友カードなどと共同で、路面電車として初の実証実験を始めた。
Visaのタッチ決済に対応しているクレジットカードや、デビットカード、プリペイドカード、スマートフォンを使って、乗車時にタッチすれば運賃が支払われる。専用ページでは、利用者の乗降履歴と料金も確認できる。実験は熊本市電のうち16編成を使って、2023年3月末まで実施される予定だ。