予約はすでに3万台超! 中国「理想汽車」のフラッグシップSUV「L9」とは何か

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中国のEVメーカー「理想汽車」は、フラッグシップSUV「L9」を発表した。いったい、どんな特徴があるのか。

中国で最も注目される新型EREV

「L9」(画像:理想汽車)
「L9」(画像:理想汽車)

 中国の電気自動車(EV)メーカー「理想汽車(Li Auto。リ・オート)」は、フラッグシップのスポーツタイプ多目的車(SUV)「L9」を発表した。

 理想汽車が得意とする長距離電気自動車(EREV)の大型SUVで、容量44.5kWhのリチウムイオンバッテリーと、発電用の1.5リッター4気筒ターボエンジンを搭載。EVモードでの航続距離180kmと、発電を併用しての走行可能距離は1100km(いずれもWLTCモードでの数値)に及ぶ。

 ディメンションは、

・全長:5218mm
・全幅:1998mm
・全高:1800mm
・ホイールベース:3105mm

となり、トヨタランドクルーザー300系と比べても20cmほど長い、堂々たる体躯のフルサイズSUVだ。

 理想汽車は、L9の事前予約が早々に3万台を超えたことを公表している。納車開始は今年8月末に予定されている。

新興EVメーカーの「勝ち組」

理想汽車のウェブサイト(画像:理想汽車)
理想汽車のウェブサイト(画像:理想汽車)

 理想汽車は、中国で2015年設立の新興メーカーで、現在のところ同社初の量産モデル「理想ONE」1車種のみを製造販売している。

 注目すべき点は、この1車種のみで2021年に9万台以上を販売していることで、これは、新興EVメーカーとして注目されるNIOが3車種で達成したおよそ9万1000台とほぼ同じ水準であり、中国新興メーカーのなかでも、NIOや小鵬汽車(Xpeng)、NETAと並んで「勝ち組」の新興メーカーとして注目されている。

 また理想汽車が他のメーカーと違う点として、いわゆるピュアEVではなく、EREV=レンジエクステンダーのみを販売してきたことが挙げられる。

 中国の新エネルギー車市場は、バッテリー電気自動車(BEV)とEREVが拮抗(きっこう)しており、そのなかでも理想ONEはEREVのトップセラーとして市場をけん引してきたわけだが、今回発表されたL9は、そのONEのコンセプトを引き継ぎながら、より高性能かつ豪華に大型化した注目のニューモデルとして、再びEREVのトップセラーを狙う。

 EREVの成功によって規模を拡大してきた理想汽車は、今後のBEVの新型車開発についても表明しており、今後の登場が待たれますが、現時点ではEREV専業メーカーとしてL9の販売拡大を目指すことになる。

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