もはや遊園地? 全国各地の「道の駅」が近年、大変身を遂げている理由
「道の駅」化するレジャー施設

近年、既存のレジャー施設が道の駅となるケースが相次いでいる。
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例えば、2012年に道の駅となった「道の駅うつのみや ろまんちっく村」(栃木県宇都宮市)。元々は宇都宮市の市制施行100周年記念事業であり、農業活性化事業の一環として開発されたファームパークだ。
そのほかにも2017年に道の駅となった「道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」(兵庫県神戸市)、2003(平成15)年に道の駅になり、2016年に「重点道の駅」となった「道の駅 丹後王国「食のみやこ」」(京都府京丹後市)などがある。
道の駅化するレジャー施設は地方自治体・第三セクターなどの施設で、業績不振に陥って赤字経営を続けていた施設が見られる。
道の駅化に伴い、赤字の運営主体は精算、運営面では入場料を撤廃したり、新しい指定管理者を入れたりして集客性や収益性を改善し、道の駅化をきっかけに大幅に集客を伸ばしている施設も多い。今度も道の駅化するレジャー施設は出てくるだろう。
「休憩地点」から「目的地」へ

その一方、道の駅はつくりすぎによる飽和状態が言われている。同じ都市にいくつも道の駅が存在する状況も見られる。また、導入する施設構成もほぼ同じであり、地域ごとの生産物で差別化しているとは言え、同質化していることも問題視されている。
そのため、近年は温浴施設や公園、アスレチック、キャンプ、収穫体験などの時間消費機能を複合して、よりレジャー性を高めて差別化する傾向が見られる。高速道路のSA・PA・ハイウェイオアシスも同様の施設を併設してレジャー性を高めており、観光地への
「休憩地点」
だったはずのこれらの施設が、むしろ観光の
「目的地」
化し、存在感を高めていく傾向にある。
道の駅ではこれから目指す新たな方向性として、三つの姿を提示している。
ひとつ目は、増加するインバウンドに対する道の駅の世界ブランド化。海外プロモーションの強化、外国人観光案内所の認定取得やキャッシュレスの導入、風景街道などと連携した観光周遊ルートの設定、観光MaaS(アプリで交通と観光施設を案内)の導入などだ。
ふたつ目は、異常気象が常態化している状況などを踏まえた、新「防災道の駅」化。広域的な防災拠点となる防災道の駅認定制度の導入と重点支援、地域防災力の強化のためのBCP策定や防災訓練などの実施などだ。
最後は、あらゆる世代が活躍する舞台となる「地域センター」化。子育て応援施設の併設、自動運転サービスのターミナル、大学等との連携によるインターンシップや実習(商品開発など)など。いずれも地域での拠点性をより高める方向性だ。
興味のある人は、改めてさまざまな道の駅を巡ってみてはどうだろうか。